なぜ床下に湿気が溜まるの? そして・・・ - 近江通商株式会社

なぜ床下に湿気が溜まるの? そして・・・

近年の木造住宅を支える基礎は、布基礎コンクリート(床下が土)やベタ基礎(防湿仕様)が主流です。どちらの基礎であっても床下は低くて地面に近く、コンクリート壁に囲まれ、陽射しがなく暗くて通気性に劣る空間であることから、湿気が溜まりやすく抜けにくい構造になっています。

四つん這い(腹ばい)にならないと入れない床下(既存住宅の防湿シート作業)

低床と複雑な基礎の形がもたらす床下の通気不足

学校の授業で習ったように、宝物を湿気から守るために建てられた東大寺の正倉院は2.7mと高床で通気性に優れていますが、木造住宅は現在にいたるまで45cmと低床です。低床が定着した理由は、建築基準法により「床下の高さは、直下の地面からその床の上面まで45cm以上とすること」(抜粋)と定められているからです。

そして、その低床な基礎の内側は、更に基礎梁(基礎の壁)で間仕切りされた空間が連続していることから通気性に劣り、湿気が溜まりやすく抜けにくい構造になっています。日本の高温多湿という気候風土から考えれば「何故もう少し高床にしなかったのか?」と不思議です。

また、住宅密集地やブロック塀などで囲まれた住宅、周囲よりも低い土地(窪地)に建てられた住宅は、さらに風通しが悪いことから床下の湿気は高くなります。そして最近の住宅は、高気密・高断熱化により「魔法瓶のような家・ビニール袋に包まれた家」といわれるように、ますます湿気が溜まりやすい環境にあります。

床下の木材含水率を測定してみる

木材含水率計で床下をチェック!

床下の湿度が〇〇%だから心配だ、というご相談を受けますが、もっと重要なことは木材の含水率です。木材含水率計を使って床下の木材(大引・束)に含まれる水分(含水率)を測りましょう。木材含水率計は建材店や工務店で借りることができますが、ネット通販では1万円未満で購入することができます。
建築時の木材含水率は約15%ですが、床下の湿気が高いと18%となり危険域です。もし20%を超えているようでしたら、シッカリとした床下湿気対策が必要です。湿気のないきれいな空気の家づくりは、床下からです。

今も昔も木造住宅の大敵は床下の湿気とシロアリです

温暖で多湿な日本の気候風土にあって、木造住宅の大敵は今も昔も床下の湿気とシロアリです。木造住宅の構造と人の健康に大きな影響を与える床下の結露・カビ・シロアリの対策は重要です。床下の湿気対策を放置し続けると「玄関に入ると何となく湿気臭い、ジメジメとしている、収納や部屋にカビが発生する、湿気を好む害虫が出てくる、羽蟻やシロアリが・・・」という問題が出てきます。このような事態になる前に対策を行いましょう。
床下の湿気対策に詳しい近江通商の建築士が「床下調湿竹炭」や「竹炭パワー」で快適な住まいづくりを解説しています。是非、ご一読ください。