家の湿気対策は、家の風通し(通風)を良くすることが基本です - 近江通商株式会社

家の湿気対策は、家の風通し(通風)を良くすることが基本です

「木造住宅の大敵は、今も昔も床下の湿気とシロアリです」と常々お伝えしていますが、家の湿気対策の基本は、何よりも家の周りや家の風通し(通風)を良くすることです。快適な暮らしは、湿気が少なく、暑くもなく、寒くもない環境が整ってこそ得られるものです。自然な形で家の風通しを良くすることは、家づくりにおける持続可能な社会の実現「SDGs」の第一歩です。

やり直しが難しい家づくり。先ずは「建築計画」が大切です

家を建てたい!と思ったら、敷地の自然環境(地形、日照、気温と湿度、風など)や周辺の街並みと調和した家づくりを考えましょう。その第一歩は敷地における建物の配置で、ポイントは日照・風通し・水はけです。やり直しが難しい家づくりです。先ずは「建築計画(配置図)」をシッカリと立てることが大切です。以下、建築士さんと一緒に考えましょう。

家の風通し(通風)と敷地の水はけを良くするためには

暑くてムシムシとしている時に風が吹くと涼しく感じます。風通しが良いと涼しく感じるのは人も家も同じです。日照は敷地の環境に影響を受けますが、風通しと水はけは改良することができます。以下、参考になさってください。

①敷地は日当たりと乾燥が大切です。できれば南側に空地が確保された建物配置に努めましょう。建ぺい率(敷地面積に対する建築面積の割合)は可能な限り小さくして空地を広くしましょう。住宅密集地では難しい数値ですが最大でも50%が望ましいでしょう。なお建ぺい率の最大値は地域ごとに法律で定められています。
②庭づくりは風通しが悪くなるとともに湿気を誘うので小さくコンパクトにしましょう。
③崖や隣家との距離は4m以上を確保し、風の通り道を確保しましょう。通風を妨げるブロック塀は避けたいですが、設置する場合は一方向に止めましょう。
④風通し(通風)と共に大切なことは敷地の水はけです。崖下や窪地(低地)、地下水位が高く水はけの悪い敷地には水路(U字溝・暗渠排水・素掘り)を設置して積極的に排水しましょう。この場合、U字溝の目地モルタルはしない方が排水効果は期待できます。
⑤併せて、地盤高(設計GL)は周囲の道路や水路に向かって1%から2%の水勾配がとれるように計画して雨水を積極的に排水しましょう。

窓の配置を工夫して風通しを確保しましょう

そして「建築設計(平面図)」時に配慮しなければならないことは、窓の配置を工夫して家の中も風通し(換気)を確保することです。高気密・高断熱など、どのような住宅でも同じです。
また、お勤めなどでシャッターを閉めることの多い住宅は欄間や小窓がおすすめです。欄間とは、大きい腰高窓の上につく小窓ですが、採光・換気に有効です。さらに、内壁に調湿機能を持った自然素材(無垢材・土壁・紙など)を積極的に使うことで湿気に強い家ができます。

風通しが期待できないときは、積極的に床下湿気対策をしましょう

建物が山や崖に近く日当たりが悪い、住宅密集地などの条件では、家の周りや家の風通し(通風)が期待できません。このような場合は、床下の高さを一般的な45㎝から60㎝以上へと高くする、床下に敷炭をする、敷地の水はけを良くするなど積極的な湿気対策を行い、カビやシロアリの発生を防ぎましょう。
また条件の良い新築住宅でも、ベタ基礎の生コンクリートが乾くまでの2年間は床下の湿気に注意が必要です。このことは「ブログ:新築住宅なのにカビが発生」や「床下調湿竹炭」「竹炭パワーで快適な住まいづくり」で解説しています。詳しくお知りになりたい方は是非ご覧ください。