リフォームと増築を繰り返してきた築40数年の住宅にシロアリが。現地調査を踏まえてシロアリ対策を行いました - 近江通商株式会社

リフォームと増築を繰り返してきた築40数年の住宅にシロアリが。現地調査を踏まえてシロアリ対策を行いました

今年の7月、高島市内の方から雛人形の収納箱に大量のシロアリがついて驚いた。一度、家を診て欲しいとのご相談がありました。蒸し暑い雨の降る日でしたが、家の外周と室内・床下のチェックを行いました。雨仕舞(雨水が建物内に入ったり敷地内に残らないようにすること)の悪いところ、増築やリフォームにともなう床下の通気(換気)の悪いところ、そして閉め切ったままの窓を確認することができました。シロアリについては、一筋の蟻道と一匹の確認にとどまりました。

家の外周の問題事項

  • 既存住宅と増築部の境付近の雨樋が外れ(平面図の青×印)、大量の雨水が地面に落ちていました。地面から跳ね返った雨水は外壁(焼き杉板)を直撃、外壁は腐食し柱にも及んでいました。この状態で長年放置していたとのことです。
  • 増築部の地盤が既存住宅よりも高いことから、増築された敷地の雨水は敷地外に流れず、既存住宅の方へ流れていました。
  • 車庫が既存住宅に隣接して建てられたことで、風通しが悪くなりコケが見られます。ここも雨樋が外れて更に状況を悪くしていました。

家の中と床下の問題事項

  • 十数年前に浴室と洗面所、キッチンをリフォームされていました。建築当初から配置が変わり、布基礎(地中梁)と間仕切が一致していません。床下は給排水管やエアコンのドレンなどの配管が何本もあります。配管が影響して基礎の人通口は通ることができなくなっていました。
    キッチンの床下収納近くに一筋の蟻道とシロアリを一匹見つけましたが、他には発見できません。リフォームと車庫の影響で床下の通気(換気)が悪く、土は湿っぽい感じでした。床下の木材含水率は28%でした。
  • 最大の問題は増築部横の個室Cです。個室Cの窓は内窓が付けられていましたが、「窓が二重になったので開けていない、網戸がないので開けると虫が入る」とのことでした。個室Cの畳は湿気を含み、軟らかくなり弱くなっています。
    平面図の赤×印のところに雛人形の収納箱を直置きしていたとのこと。箱に大量のシロアリが付いた、とのことなので念入りに周辺や床下を調べましたが、蟻道もシロアリも確認できませんでした。箱の撤去とともにシロアリは姿を消したようです。床下の木材含水率は21%でした。
    増築により既存住宅の床下の通気が悪くなったこと、雨樋の外れにによる壁への雨水侵入、年中閉め切った窓の室内換気不足が重なり、直置きの雛人形の収納箱にシロアリが付いたようです。

不幸中の幸い、他にシロアリはいなかった

幸いなことは、他にシロアリの被害と姿を確認することはなく、大きな修繕も必要なかったことです。ただし、敷地排水については、少し検討する必要があります。

敷炭の様子を見る小学生:初めて見る床下に興味津々

シロアリ対策工事:外壁・樋の補修と敷炭を行いました

8月に大工・板金屋さんによる外壁・雨樋の補修を行い、念のためにシロアリ防除剤も先行実施。そして、9月17日に床下湿気対策 敷炭を行いました。ご予算の関係で23坪(平面図の着色部)に絞っての敷炭でしたが、ご家族は初めて見る床下に興味津々です。床下での大変な作業にご理解を頂きました。
作業完了後は湿気臭も消えてスッキリしました。1年後に再調査することにしました。