崖下や低地に建つ住宅 地形により流れてきた水が家の床下から湿気となって漂い続けています。でも、その問題は意外と簡単に解決できます - 近江通商株式会社

崖下や低地に建つ住宅 地形により流れてきた水が家の床下から湿気となって漂い続けています。でも、その問題は意外と簡単に解決できます

8月26日、京都市左京区岩倉の住宅で敷炭工事をしてきました。静かで暮らしやすい住宅地です。その家の方から「家の湿気が酷いので見て欲しい」とのご依頼があり、1か月前に調査をさせていただいていました。築40年ほどの木造二階建て住宅は、手入れが行き届いた綺麗なお家でした。隣地は崖上の住宅と公園、そして前面は道路です。
早速、気になるという和室に案内していただくと、畳が浮き上がって山状になっていました。原因は、湿気で床板が反り繰り返っていることでした。そして床下を覗いてみると、床組みの木材が全て濡れているのです。床束の水分率は計測可能値を上回るHi、大引と根太は25%~35%台。根搦みヌキにいたっては手で触れただけで折れてしまう状態でした。幸いシロアリの食害はありません。写真は、部材交換のために取外した床束と根搦みヌキです。

先ずは敷炭工事、床の補修は最小に!

ご依頼の方は、大手建築会社の見積りがあまりに高いので近江通商に相談をされてきました。私から、先ずは敷炭工事で床下湿気を解消し、床組みの修理は補修にとどめることを提案しました。何故かといえば、簡単な補修で床の問題が解決すること、和室以外はリフォーム済みということもあり湿気以外に大きな問題がなかったからです。敷炭工事をすることで床下環境の改善が見込まれることから様子を見ていただくことにしました。
先ず地面に0.1㎜厚の防水シートを敷き、その上に竹炭を並べていきます。床組みの補修は腐朽菌に侵された床束とヌキ、一部の床板を交換するに留めました。作業完了直後に立ち会っていただきましたが、もう防湿シートの下には水滴(結露)ができるほどの状況でした。この水滴は、気温の低下とともに消えるので問題はありません。何よりも防水シートが地面からの湿気をシャットアウトしている証拠であり、効果であることを説明させていただきました。今後は竹炭がシッカリと調湿してくれます。

敷地環境に合った排水工事「水はけを良くする」を提案

今回の現場、大量の湿気が床下に発生する第一の原因は地形にあります。崖上の住宅地との高低差は4mほど。公園も50㎝程高い状態です。この三方からの水の侵入を止めない限り床下の湿気は永遠に続きます。そこで、敷地内に素掘り水路か暗渠排水の設置、または目地なしU字溝の設置を提案させていただきました。距離が20m未満なので業者施工でなくても、ご主人が数日頑張ればできる仕事です。
表面水や地下水は高い所から低いところへ流れます。しかし、道路やコンクリートなどの構造物で行き場を失うと、地下水は地表へと出てきます。地表に住宅があれば、床下の湿気に悩むことになります。
過去のブログ「家の湿気対策は、家の風通し(通風)を良くすることが基本です」でも説明していますので参考にして下さい。